フォールガイ【ネタバレあり】火だるま痴話げんかとアクション映画愛爆発の傑作!

★★★★★

公開日  2024年8月16日
上映時間 
127分

監督 デヴィッド・リーチ
脚本 ドリュー・ピアース
キャスト ライアン・ゴズリング エミリー・ブラント アーロン・テイラー=ジョンソン ウィンストン・デューク ハンナ・ワディンガム テリーサ・パーマー ステファニー・スー アダム・ダン ザラ・マイケルズ ベン・ナイト

映画.com様より引用

debuwo評価 92点
おすすめ度  (星5)

アクション映画を愛するすべての人へ

『フォールガイ』は、スタントマンという縁の下の存在に光をあてた
アクション映画愛好家へのプレゼントのような映画。
笑って、ドキドキして、ちょっとだけロマンスと大量の火薬
最後には「映画ってやっぱ最高やな!」って思わせてくれる
──そんな作品です。

ドンパチアクションは最高や!

前半のラブコメ×後半のサスペンス

前半部分を占めるラブコメ全開!特に推しのシーンは
火だるま撮影中に繰り広げられる痴話げんか
リテイクのたびに愚痴る監督、巻き込まれる宇宙人スタッフまで含めて
笑いが止まらない最高のギャグパート。
このシーンをはじめとした全般的なギャグシーンと
三枚目ライアンゴズリングの演技も作風しっかりフィットしてる

ゴズリングとAテイラージョンソン・監督にスタントの皆様

後半は一転して、失踪した俳優の謎を追う
ポップでスリリングなクライムサスペンス
すべてのキャラ設定がきちんと物語に還元されていて
伏線がきれいに巡るストーリー構成が見事。
最後まで“あれはこのためやったんか!”って何度もなる
見てて快感のある構成。

ストーリーのしっかりとした起承転結・交通整理力は
『ブレット・トレイン』から変わらず健在!

ライアン・ゴズリングの三枚目っぷりが絶妙

これまで『ドライブ』『ラ・ラ・ランド』のような
“かっこいいゴズリング”が定番やったけど
今回は『バービー』のKENを経た
“ボンクラ・ゴズリング”が抜群にハマる。
情けなさと格好良さのバランスが絶妙で
まさに今の彼にしかできない役だ

イケメンで仕事出来るけどアホ

エミリーブラント姐さん

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や
『クワイエット・プレイス』などを経て
アクション映画で堂に入ってきた感あるエミリー姐さん
今回は監督がデヴィット・リーチ監督というのもあって
ジョン・ウィックシリーズリスペクトがされており
ファイルで攻撃する所は完全にジョンウィック3の図書館のジョン

強すぎる映画監督

相変わらずの楽曲センス

KISSの「I Was Made for Lovin’ You」など
選曲センスがブレット・トレイン同様の仕上がり
更に本作はわざわざカラオケシーンがあったりと
リーチ監督の映画における音楽の力の入れっぷりは変わらずである。

犬は無事です

ギネス記録を更新した“キャノンロール”とは?

『フォールガイ』のクライマックスを飾る超絶カースタント「キャノンロール」は
走行中の車内に仕込まれたキャノン砲を発射し
その反動で車を横転させるという超危険なスタント。

このシーンで、車はなんと8.5回転を記録し
2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』が持っていた7回転の記録を更新
見事ギネス世界記録に認定された。
このスタントを成功させたのは、スタントドライバーのローガン・ホラデイ
時速130kmで走行しながらキャノンを発射し
ジープ・グランドチェロキーを8回転半も回転させるという離れ業をやってのけた。
監督のデヴィッド・リーチは
「スタントマンを讃える映画を作るなら、記録を塗り替えるくらいじゃないと」
と語り、まさに映画のテーマと現実の偉業がリンクした瞬間となった。

そしてアカデミー賞へ…

劇中でも「スタントにアカデミー賞はあるのか?」という問が出てくる。
主人公コルトは無機質に「無い」と答える。
映画を命がけで支えている存在にも関わらず
長らく評価されてこなかったスタント。
その現実を象徴するように語られる
この台詞は、胸に刺さる。
そして本作が象徴的存在になったのか──
ついに2028年、第100回アカデミー賞から
「スタントデザイン賞」が新設。

出来れば初受賞作品はこれになって欲しかった…!!

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