スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム【ネタバレあり】

★★★★★

公開日  2022年1月7日
上映時間 149分
監督 ジョン・ワッツ
脚本・原案 クリス・マッケナー エリック・ソマーズ
原作 スタン・リー
出演 トム・ホランド ベネディクト・カンバーバッチ ゼンデイヤ  ジョン・ファブロー ジェイコブ・バタロン
 アルフレッド・モリーナ ウィレム・デフォー

ホログラム技術を武器に操るミステリオを倒したピーターだったが
ミステリオが残した映像をタブロイド紙の「デイリー・ビューグル」が世界に公開したことで
ミステリオ殺害の容疑がかけられてしまったうえ、正体も暴かれてしまう。
マスコミに騒ぎ立てられ、ピーターの生活は一変。
身近な大切な人にも危険が及ぶことを恐れたピーターは
共にサノスと闘ったドクター・ストレンジに助力を求め
魔術の力で自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが…
サム・ライミ監督版「スパイダーマン」シリーズに登場したグリーン・ゴブリンドック・オク
マーク・ウェブ監督版「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのエレクトロなど
過去のシリーズ作品から悪役たちが時空を超えて登場

映画.comより一部引用

debuwo評価 92点
おすすめ度  (星5)

スパイダーマン映画最高傑作!

  • サム・ライミ版スパイダーマン
  • マーク・ウェブ版スパイダーマン
  • MCUシリーズ

今までの実写スパイダーマン映画をみてきた人たちに贈る傑作!
極限までスケールアップした末に
スパイダーマン映画らしい内容に着地するストーリーは見事!
MCU映画最高傑作
と言っても過言ではない作品!

サブタイトルについて

no way home=故郷に戻れない、後戻りできない

前作、前々作はhomeありきの話でしたが
今作はhomeへの道がなくなるというタイトル
劇中で失うものを見返せば
サブタイトルのhomeは
誰かを象徴しているように思える

過去作のレビューはこちら!

ストレンジの負い目?

ミステリオ事件を無かったことにする為
ピーターはドクターストレンジを訪ねて
記憶改変をお願いするのだが
よくよく考えれば何故ストレンジは
大規模の記憶改変を安請け合いしたのか?
アベンジャーズ:エンドゲームのある人物の顛末を考えれば
彼を父のように慕っていたピーターに多少負い目があったのか
あるいはMJへの対応を見ると
彼は案外子供に弱いのかもしれない…

君達さぁ…

それはそれとして
ミステリオ事件の後、『彼ら』が全く音沙汰が無しで雲隠れ
ピーターに連絡の一つも入れていないのは
あまりにも無責任かつ身勝手で
この作品の数少ないツッコミどころ
良い部分がそれを補って余りあるけど…

歴代ヴィラン大集合

  • グリーンゴブリン
    スパイダーマン 
  • ドック・オク
    スパイダーマン2
  • サンドマン
    スパイダーマン3
  • リザードマン
    アメイジングスパイダーマン
  • エレクトロ
    アメイジングスパイダーマン2

今作は過去のスパイダーマン映画に登場した歴代ヴィランが登場する
画像の三人は演者として出演しているが
サンドマン・リザードマンは過去作で未使用だったシーンを再利用して声の収録で出演

グリーンゴブリンが特に良い!

今作で最も尖ったヴィランといえば
間違いなくグリーンゴブリンだろう
映画『スパイダーマン』では
ノーマン・オズボーンの別人格として登場
今作では暴れ回りながらピーターにも
道徳心やしがらみは捨てて
思うままに暴力を振るえと囁き
ピーターの闇落ちを目論むアンチスパイダーマンとして立ちはだかる
ウィレム・デフォーの熱演もあり
ヴィラン5人の中でも特に際立った存在だった


ここから下は
さらに
ネタバレ注意



大きな別れと出会い

ヴィラン達と激闘する最中に
あまりにも無防備すぎる行動の結果
ピーターはある人物と大きな別れを迎える
以前にも父のように慕っていた人物を亡くしたピーターだが
今回は自分が原因で事件が起こってしまい
やり場のない怒りと悲しみで絶望する
君がこんな調子なら
ミステリオよりも悲惨な事件が起こるという
ストレンジの予言が現実になってしまう

この一連の流れで見せる
トム・ホランドの演技はまさに迫真

分かち合う事が出来る二人

そんな自らの行いに悔やむピーターの前に
驚くべき二人が彼を助けにやってくる

  • トビー・マグワイア
    スパイダーマン1・2・3
  • アンドリュー・ガーフィールド
    アメイジングスパイダーマン1・2

5人のヴィランと同じように
別世界からMCU世界に召喚された
2人のピーター・パーカーだ

自分たちも同じように大切な人を失い
遺志を受け継いできたと語りかけるシーンは
過去作を視聴した観客なら心震わせること間違いなし

サム・ライミ版ベン・パーカー

アンドリュー・ピーターの慟哭

名シーンと言えば
ラストバトルで瓦礫に落下するMJを
アンドリューが救出した際に彼が見せた
喜びとも悲しみとも言えない表情による慟哭
今もグウェンを失った日を思い続ける
彼の胸中を考えると胸が熱くなる
個人的にはこの映画屈指の名シーン

アメイジング・スパイダーマン2

トビー・ピーターの近況報告

同じくラストバトルで
正気に戻ったドック・オクに
トビーが『努力してます』と近況報告する
トビーの落ち着いた様と時の経過が合わさり
当時を映画で見た人なら微笑ましく
アンドリューとは違った方向で胸熱なシーンだ

スパイダーマン2

救済のラストバトル

トムホとグリーンゴブリンの戦いは
ゴブリンを全力で殺しにかかることから
心優しいトムホピーターが

如何に狂わされたのかわかる
戦いは終始トムホの攻勢で
そのままとどめを刺そうとするが
スパイダーマン3で
復讐に魅了された彼がそれを食い止める
トビーは力に溺れた過去を贖い
トムホは力に溺れずに済んだ
結果として互いを救済した素晴らしいシーン
トビーが登場時に
「彼(トムホ)が助けを求めている」
と言っていたのは
この瞬間の事を指していたのかもしれない

失うことで完成する

ストレンジの記憶改変により
全てのマルチバースから
トムホピーター=スパイダーマン
という記憶を持つ存在がいなくなり
今回の騒動は終結する
ピーターは今回の騒動で

  • 家族
  • 親友と恋人
  • スターク、アベンジャーズ

全ての繋がりを記憶改変により失い
身も心もボロボロなうえ
彼はこれからたった一人で戦うことになるが
大切な人の遺志を受け継ぎ
自分一人で戦う決めた時
彼は真のスパイダーマンとなった
のだ
ラストの摩天楼に颯爽と現れる姿は
これぞスパイダーマンといった感じで
シリーズを締めくくるのに
ふさわしいラストだ!

スーツに関する記事はこちら

おまけ:マット・マードック

ピーターを証拠不十分で不起訴にしたチャーリー・コックスが演じる盲目の弁護士
彼の正体はクライムファイター・デアデビル
2015年~18年までネットフリックスで制作された海外ドラマ『DAREDEVIL』の主人公
2021年12月に再起用が発表された

実は、ハッピー役のジョン・ファブローは
MCUとは関係のない映画デアデビル(2003年)に出演している
ハッピーが弁護士の紹介をしたのは
この背景があったからだろう

こちらのデアデビルを演じたのは後にバットマンを演じる事となるベン・アフレック

おまけ:変なストレンジについて

エンドクレジット後の
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスの予告に登場した
なんか怪しげなストレンジ
このストレンジは本編のストレンジとは異なる世界のストレンジで
既存のMCU作品にすでに登場していると思われます

「MARVEL WHAT IF…?」を視聴すれば
このストレンジの正体(?)やマルチバースの全容がみえてきます!

おまけ:黒い宇宙人

ポストクレジットに登場した
黒い宇宙人ことヴェノム
てっきり次回作に参戦かと思われましたが
一瞬で元の世界へ帰還、ですが彼は測らずも自らの細胞を残していきました…
彼の細胞一つ世界がどうなるかは
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を視聴すればよくわかります!
レビューはこちらから!

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