ファイト・クラブ【ネタバレあり】

★★★★★

公開日  1999年12月11日
上映時間 139分
監督 デビッド・フィンチャー
脚本 ジム・ウールス
原作 チャック・パラニューク
出演 エドワード・ノートン ブラッド・ピット ヘレナ・ボナム=カーター ロミート・ローフ ジャレッド・レト

心の中に問題を抱える青年ジャックはタイラーと名乗る男と知り合う。
ふとした事から酒場の前でタイラーとジャックが殴り合いを始めると、そこには多くの見物人が…
その後、タイラーは酒場の地下でファイト・クラブなる拳闘の秘密集会を仕切ることに…
たくさんの男たちがスリルを求めて集まるようになるが
やがてそのクラブは恐るべきテロ集団へと変貌していく……。
「セブン」のコンビ、ブラピとフィンチャー監督が再び組んだ衝撃作。

映画.comより一部引用

debuwo評価 97点
おすすめ度  (星5)

危険なまでに魅力的な思想映画

暴力と自傷行為をもって
消費社会、資本主義へのアンチテーゼを描いた問題作

あまりにも衝撃的なその内容とは
筆者を含め、当時の10代~30代男性を中心に
多くの人を魅了し、触発したカルト映画

公開当時は低評価だった理由

1999年公開当時
メディアや評論家から激しく批判されたが
内容が不評・興収が振るわなかっただけで叩かれたのではなく
この映画の強烈な魅力に影響されて
観客が暴徒と化す恐れがあるとして

制作者が無責任な作品を世に送り出したと批判にされていた
実際に世界各地でファイト・クラブが設立された話・事件は枚挙に暇がない…

全盛期のブラピは芸術品

本作の人気を博した要素といえば
タイラー・ダーデンだろう

  • 主人公の理想
  • 父親の象徴
  • 超えるべき・打ち勝つべき存在

として描かれているのだが
役者としてピークを迎えたブラッド・ピット
その設定を損なう事無く演じた様はもはや芸術の領域
飯を雑に食っていようが
妙なリズムで踊っていようが
とにかくかっこいい…!

当時の日本国内で人気の絶頂を極めた
SMAP木村拓哉ですら、彼と遭遇した時は
「かっこよすぎる…」と言ってしまうほどである

推しのタイラー語録

F**k damnation, man!
F**k redemption!
We are God’s unwanted children!
So be it!

何が天罰だ!何が救済だ!
俺達は神の望まない子供!
それでいい!

タイラーと言えば、名言製造機として
その語録の数々も印象的だが
個人的に推していきたいのは
口付けの儀式での台詞たち
自己防衛に走るジャックの台詞をぶった斬り
暴力的な言葉の嵐で現実を叩きつける
その力強さはどこか魅力的だ

You have to know, not fear, know,
that someday you’re going to die

“いつか死ぬ”って事を
恐れず心に叩きこめ

この映画が伝えたかったのは
この台詞ではないかと思う
人生は必ずいつか終わる
だからこそ悔いの無い様に
生きなければいけない

幸せなバッドエンド

人生の残り時間はやがてゼロになる
この映画もその台詞通り
Pixiesのwhere is my mindをBGMに幕を閉じる
ジャックは確かにタイラーとケリを付け
マーラと心を通わせて
目の前に迫る終焉を前に満ち足りたその様は
幸せなバッドエンド
という言葉こそが相応しい!

最後まで強烈で
是非とも見ていただきたい作品です!

豆知識 スポンサー…ではない

  • スターバックス
  • IKEYA
  • GUCCI

劇中に登場する、誰もが知っているブランド・メーカーたち
なんとこれらの会社は映画のスポンサーではない
批判の対象としてだけ登場しているのだ
全盛期のブラトとデビット・フィンチャーコンビの映画という事で
結果として宣伝にはなると判断して商品の使用を許可したのだろうが
まさかここまで批判的に取り扱われるとは
本編を目にするまで夢にも思わなかっただろう…

豆知識 サブリミナル効果はデマ!?

サブリミナル効果(サブリミナルこうか)とは
意識と潜在意識の境界領域より下に
刺激を与えることで表れるとされている効果のことを言い
視覚、聴覚、触覚の3つのサブリミナルがあるとされる

wikipediaより引用

数フレーム単位の映像を差込み
潜在意識に映像を植えつけるという効果

劇中でもタイラーが映画館のアルバイトでこの効果でいたずらを行ったり
本編で色々とパンチの効いた映像が差し込まれ話題となったが
実際の効果は眉唾物である
限定的な条件なら効果が見受けられる程度で
再実験を行っても効果は証明されなかったとされています

考察 マーラの謎

序盤のジャックとマーラが口論の末
電話番号を交換するシーン
今まで道路を歩くマーラを轢かぬように止まっていた車が
この瞬間だけ、車は全く止まる素振りを見せない
もしかしたら、どこかのピエロのように
ジャックがマーラを呼びとめた瞬間から
この映画で描かれた部分は全て彼の妄想
幻だったのかもしませんね…

おまけ  午前十時の映画祭11

今回銀幕でこの映画を見れたのは
名作映画をリバイバル上映している企画
『午前十時の映画祭11』のおかげです
来年の四月まで隔週2本ずつ
不朽の名作映画を上映しています
映画館によっては
午前十時以外にも上映しているので

気になった方は
一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
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