ブレット・トレイン【ネタバレあり】

★★★★★

公開日  2022年9月1日
上映時間 126分
監督 デヴィッド・リーチ
脚本 ザック・オルケウィッツ
原作 伊坂幸太郎
キャスト ブラッド・ピット 真田広之 ジョーイ・キング アーロン・テイラー・ジョンソン ブライアン・タイリー・ヘンリー マイケル・シャノン

作家・伊坂幸太郎による「殺し屋シリーズ」の第2作「マリアビートル」を
「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督が
ブラッド・ピット主演でハリウッド映画化したクライムアクション。

いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。
そんな彼が請けた新たなミッションは
東京発の超高速列車でブリーフケースを盗んで
次の駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。
盗みは成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ
降りるタイミングを完全に見失ってしまう。
列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速していく。

映画.comより一部引用

debuwo評価 95点
おすすめ度  (星5)

乗り物映画+パズル的ストーリー

乗車から始まり、下車する頃には問題解決!
映画の王道の一つ、乗り物映画
劇中の結果に至るまでの時系列を逆再生する
パルプフィクション的描写などを合わせて
一目で見やすくわかりやすく作られた作品
アヴちゃん「Stayin’ Alive」
麻倉未稀「Holding Out For A Hero」など

有名曲をふんだんに使った
監督こだわりの劇中歌も非常に気持ちが良く
良い意味でB級感あるエンターテイメント映画だ!

キャラの特徴を生かしたアクション

デッドプール2を手掛けたデヴィッド・リーチ監督だけあって
アクションシーンが非常に見ていて楽しい
各キャラクターの持ち味を活かした戦闘シーンは魅力的で
特にホーネット戦はテンポ感、決着の付け方まで
小気味よく見ていてとても素晴らしかった

日用品武器は一流の嗜み

ジャッキーチェンの椅子、キアヌの鉛筆、武田鉄矢のハンガーなど
日用品を武器にするのは一流スターの嗜み

  • ブリーフケース
  • ノートパソコン
  • 飲料ボトル

ブラピ演じるレディバグ
銃を嫌い、日用品で戦う事が多く
中でもブリーフケースでの戦闘シーンは
所々で見せる景気づけのようなケースを空転させるしぐさが
外連味があり見ていて楽しい

一流!

レモンとみかん

個性的な登場人物が揃う中
特に魅力的だったのは
レモンとタンジェリンのコンビだろう
彼らの息の合ったバディ感は見ていて心地よく
原作の伊坂幸太郎先生もお気に入りの二人だ

原作では双子みたいに似ている設定

きかんしゃトーマス信者レモン

知り合った人間の心理を読み取り
きかんしゃトーマスのキャラに例えるレモン
トーマスの内容を知らずとも
パブリックイメージだけで成立させる展開は素晴らしく
中でもトーマスのシールを使った視覚的演出
時にスマートで、時に感動的だ

推しの役者 真田広之

昨今では、特定の括りの中でまとめたアイドルや芸能人の中で
最もお気に入りの一人を推しと言う文化がある
筆者がこの映画で推すとすれば
いまや世界で活躍する俳優となった真田広之
今作の主要人物の役者で最高齢となる彼だが
その風格やアクションは今なおかっこよさ、男の色気を漂わせる

※役者さんの年齢
レディバグ…ブラピ(1963年生まれ)
エルダー…真田広之(1960年生まれ)
ホワイトデス…マイケルシャノン(1974年生まれ)

マイケルシャノンが実は想像より若かった…

外国が好きなJAPAN問題

本作の舞台は日本ではあるものの
現実の日本とは大きく異なった
俺たち外国人が好きなJAPANである
このJAPANとはブレードランナーを始めとする映画の中にだけに存在する

  • 煩雑なビル群
  • ギラついたネオン
  • トラディショナルなオブジェが妙な場所にあるなど

これらの特徴がみられる日本の事である

ブレードランナー(1982年)

こんな事でいいのかと言う風潮もあるが

割と古くからあるこの描写だが
昨今ではこのようなあまりにも現実離れしたデザインに
苦言を呈す風潮も多少存在する
では現実に忠実な日本を描写する必要があるのか?
それはNOだ
ブレットトレインと言う映画は
登場人物の殺し屋たちが電車内で大暴れする
エンターテイメントに全振りした映画だ

そんな作品に、現代の日本を忠実に描写する必要があるだろうか?
各駅の雰囲気も本来の駅と同じようにすると地味で盛り上がりに欠けるし
何より新幹線も現実のサイズで作ったらそれこそアクションは不可能になる
史実を元にした伝記映画ならともかく
このタイプの映画にそこまでリアリティを求める必要が無いはずだ
むしろこの手の映画を見に来るのなら
それくらいのフィクションは笑って許す度量はあって然るべきだろう

ホワイトウォッシュ論争

原作となる『マリアビートル』ではブラピとジョーイ・キングのキャラクターは
日本人であり、白人による配役改変はホワイトウォッシングだと批判された
この作品の舞台がアメリカであるならばいざ知らず
日本であり、背景にも日本人を登場させているにもかかわらず
この配役は何事かという事だ

日本に住む我々からすれば、このような配役は
トムクルーズのオール・ユー・ニード・イズ・キルなど
今に始まった事ではないので大した問題ではないが
海外に住む日系人からするとアジア・コミュニティを軽視する流れとれて
看過できない流れがあるそうだ

筆者としてはあまりにも露骨なもので無ければそれでよいと思っており
この作品に関しても、内容だけ見ればアジア人の登場人物は
かなり厚遇されているし、差別的なものは一切見受けられない
昨今のこの手の騒動は配役には苦情をつけるが
作品自体の内容を批判する側が精査しているのか疑わしい所がある

おまけ 時代か…

ハリウッドスターの中でもレジェンド級の俳優ブラッド・ピット
筆者が子供のころからすでにスターで、モテモテの存在であったが
そんな彼も今年で60歳
年齢的にはその通りだが
常に最前線を走ってきた彼が
劇中のセリフとはいえジジイ呼ばわりされるのは
何とも言えない気分となる…

そこらの20~40代男よりも遥かにかっこいいのは間違いない

今なお魅力的なブラピだが
30代後半の俳優として、男として脂の乗った
ファイトクラブ当時の彼も是非見ていただきたい
そんな彼にまつわる記事はこちらにまとめていますので

ファイトクラブの記事もどうぞ!↓

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