公開日 2021年9月3日
上映時間 100分
監督 神志那弘志
脚本 秦建日子
製作総指揮 許斐武(原作者)
出演声優 皆川純子 松山鷹志 高橋美佳子 山路和弘 朴ろ美 杉田智和
単身アメリカへ武者修行の旅に出た越前リョーマは
映画.comより一部抜粋
家族旅行でアメリカを訪れていた同級生の竜崎桜乃がギャングにからまれている場面に遭遇する。
桜乃を助けるためリョーマはテニスボールを放つが
同時に放たれた車イスの謎の人物によるボールがぶつかり、その衝撃で時空が歪んでしまう
気が付くとリョーマは、「サムライ」と呼ばれた若き日の越前南次郎が活躍している時代にたどり着いていた。
そこで現代では記録に残っていない父南次郎の現役時代と引退を決意した日の試合を
リョーマは目の当たりにする事になるのだが…
本作は一部シーンが異なる「Decide」と「Glory」という2つのバージョンで上映されいる
debuwo評価 35点
おすすめ度 ★★★☆☆(星3) ※一見の価値はアリ
フル3DCGテニスの王子様!君はこの衝撃についてこれるか!?
週刊少年ジャンプで連載し、アニメ・ミュージカルでも大ヒットした「テニスの王子様」の劇場版。
シリーズ初のフル3DCGアニメとして製作され
原作者である許斐剛の製作総指揮・プロデュースしている本作
本編開始30秒でその強烈なインパクトが襲い掛かってくる
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パァ!
冒頭で描かれる無印テニプリ最後の戦い
リョーマVS立海大付属の幸村との対決を
リョーマが天衣無縫の極みに覚醒した瞬間から
ミュージカルで描くという
そのあまりのエキセントリックな演出に
全ての感覚が奪われる
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!?
あまりの唐突ぶりに劇中の幸村君と同様に唖然としてしまいました
だがこのミュージカル
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楽しい!
そう、この作品のミュージカルシーンは
どれも魅力に溢れていてとても楽しいのです!
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特にお気に入りは
冒頭のDear Prince〜テニスの王子様達へ〜と
peace of mind 星の歌を聞きながらです
Dear Prince〜テニスの王子様達へ〜は
ファーストアタックだったので
とにかくその衝撃が残ってますw
そして躍動感あるテニスのモーションに感動しました!
peace of mind ~星の歌を聞きながら~は
恋愛って感じで無いんですけど
サクノちゃんがちゃんとヒロインしてるのと
リョーマ君が年相応に描写されてて
若い二人の甘酢感・青春感が描かれていて
すごくよかったですね!
演出や音楽はよかった…だが…
躍動感あるテニス、ミュージカル
声優陣が全力で挑んだラップを始めとした曲の数々はどれも素晴らしくて
この映画のウリとされている部分はよかったんですが…
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ストーリーが駄目!
お話作りは全然ダメです!
ストーリーだけで言うなら間違い無く今年最下位クラスです
では何が良くなかったかを解説します
2種類のタイムトラベル設定を取り入れた不協和音
まずこの作品は
主人公が過去にタイムスリップして未来の事象を改変する話で
そう言う話って大きく分けて2つのタイプが存在していて
- 12モンキーズタイプ
主人公がタイムスリップして事象改変する事は予定調和で
事象改変も含めて大きな一つの時間の流れとして扱うタイプ
- BTF(バックトゥザフューチャー)タイプ
主人公が過去で事象改変してしまった為に
未来が今までとは異なってしまうタイプ
とある訳ですが
この映画、どっちの要素も入れてきたんですよ
12モンキーズの要素
南次郎に関するイベントがこれに該当して
今回のタイムスリップのキーアイテムになる
変な傷がついたテニスボール
実はこの傷、リョーマが過去に来る事によって
初めてつくんですよね
つまりリョーマが過去に来る事は予定調和
正しい歴史、正史を辿ってる事になってます
これはまあいいんですよ
BTFの要素
その一方で、こちらは映画のオリキャラ、マフィアの娘エメラルドの事なんですけど
改変前の現代では車椅子のテニスプレーヤーで
過去では、五体満足のテニス好きのマフィアとして現れて
リョーマ君が過去改変した結果
改変された未来では何故かセレブなモデルになってる
リョーマ君の介入によって未来が変わってめでたしめでたしってなってるんです
結果正史を辿っているのにパラレルワールドに分岐している
という訳のわからない流れになっていてパニックを起こします
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幸村「訳がわからないよ…ぼうや…」
車椅子要素の無意味さと無神経さ
でもまあいいですよ
南次郎的にはリョーマが過去に来るのは予定調和で
エメラルド的には、リョーマが来るのはイレギュラーだった
それでもいいですよ
終わり良ければ無茶な事象改変
マルチバースバッチコイな映画なんていくらでもありますから
オールユーニドイズキルとか、ジェットリーザワンとかね…
あるからいいですよ
でも基本的なお話の流れとして
- 改変前の現代でエメラルドが何故車椅子を生活送ってるのか
- リョーマが過去に来た事によってエメラルドの未来はどこで分岐したのか
車椅子生活に関するこの二点はしっかり描いてくださいよ!
ここまで扱わないんなら、車椅子要素いらんやろ!って思いました
そして、そこらへんの描写曖昧にしてるせいでかなり薄められてますが
エメラルドは車椅子生活からモデル生活に改変されてハッピーエンドな雰囲気出してるんですけど
障がいを持った人間が障がいがなくなったからハッピー!って描くのはちょっと神経疑いますよ
許斐先生…全人類が見られる映画を作りたいとパンフレットに記載していらっしゃるんですけど
車椅子生活を送っている方はどう思ってみればいいんでしょうか?
考えすぎかもしれませんけど、僕は正直無神経だと思いました…
殺し屋リョーマ
でね、こういう事言うとね
debuwoくん、まだまだだね…
この映画で重要なのは
あくまで王子様たちで、王子様でない脇役はどうでもいいんですよw
って言いたいかもしれないですけど
じゃあ作中の王子様、リョーマ君について言わせてもらいますけど
彼がストーリー部分で丁寧に描かれてるといえるでしょうか?
テニスで覚えた技術で人を傷つける事は多めに見ても
- テニスボールを当ててビルの屋上から人を落とす
- ラケットで車の運転を妨害して、車がぶつかる直前に他人のシートベルトをはずす
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俺、殺し屋じゃん…
これらの行動は流石にどうかと思いますよ…
原作どころかこの映画の中でラケットは人を傷つける道具じゃない
ってドヤ顔で言ってたじゃないですかー!
厳しい事言ってるのはわかるんですが…
- タイムトラベル
- オリキャラのストーリー
- 障がいに対する倫理観
- リョーマくんの殺人未遂2件
結論としては、これらの部分からみえる
お話作りの適当さが、この映画の足を引っ張っています
素人なので良くわかりませんが
こういう所を調整して行くのが
脚本とかのお仕事ではないのでしょうか?
確かに、このテニスの王子様の映画では
大多数のお客さんは、リョーマ君をはじめとする王子様の活躍を見に来てますよ
それは間違いないですよ、僕だってそうですし
でもだからこそ、それ以外の部分もしっかり作らないと
王子様達の活躍にノリきれないんじゃないでしょうか?
次回作では、ストーリーもしっかりしたテニスの王子様が見たいです!
余談
念のため言っときますが
私debuwoは、テニスの王子様が大好きです
ちなみに好きな試合は幸村VS手塚戦や、乾VS柳戦とかで
とんでもないギャグばかりでなく、熱い所はしっかり熱い作品だからこそ
ちゃんとした映画を期待しているんです!
次回作待ってます!!
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