公開日 2025年9月19日
上映時間 111分
監督 ダン・トラクテンバーグ
脚本 パトリック・アイソン ブライアン・ダフィールド
キャスト ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ エル・ファニング
誇り高き戦闘一族から追放され、宇宙一危険な最も危険な惑星〈ゲンナ〉に辿り着き
公式サイトより抜粋
今まで誰も狩ることが出来なかったモンスターカリストを駆る事を決意する若き戦士・デク。
次々と敵に襲われる彼の前に現れたのは、上半身しかないアンドロイド・ティア
ゲンナの生物の生態を知らないデクは渋々彼女と協力関係を築き狩りを行う事になる
「究極の敵」を狩って真の「プレデター」になれるのか
それとも「獲物」になってしまうのか。規格外のコンビが挑む
究極のサバイバルSFアクションが今始まる!
debuwo評価 90点
おすすめ度 ★★★★(星4)
シリーズとしては異端、故に王道
高度な技術を持つ異星の狩人「プレデター」と
人類の死闘を描くSFアクション映画シリーズ
密林でシュワちゃんと戦う1作目
LAでダニー・クローヴァーと戦う2作目と
多彩なジャンルでプレデターとの戦いを描いたシリーズだが
なんと10作目にしてプレデター自身が主人公になってしまった!
シリーズとしては異色の主人公!
ストーリーも歴代シリーズと打って変わって
一族では才能に恵まれない主人公が仲間と出会い
試練を乗り越えて成長する王道の物語となっている!!
余りにも王道過ぎる展開故に
シリーズとしては異色の作品と言う不思議な仕上がりだが
出来栄えは傑作と言って差し支えない!!

応援したくなる主人公デク
プレデターの部族・ヤウージャ族の若者
プレデターとしては身長が低く、一族の落ちこぼれとされている。
そんなデクは主人公と言うのもあるが
今まで登場したプレデターの中で誰よりも人間臭く可愛い
強くなれない事にめげずに日々努力するが
気遣われているのがわかると不機嫌になる若さは
実の兄・クウェイが気に掛けるのも分かるまさに可愛いげのある弟だ
また、ティアを連れていく言い訳に道具として扱うと言い張ったりする優しさ
就寝前の支度では懐いてるバドに対してドヤ顔な所も面白く
感受性が高く、心が優しく、感情豊か
歴代のシリーズに登場するプレデターとは明らかに異なるキャラクター
それどころか、プレデターとしては明らかに欠点となってる場合もある彼の個性が
彼の成長につながるのも本作の魅力だ

エル・ファニングの名演
異端と言う意味ではデクの道具兼ヒロインのティアもそうだろう
初登場の時は下半身が無く、更に自分の何倍もある動物を
刃物一つで仕留めて笑顔で挨拶をするヒロインは
数多ある映画の中でも早々お目にかかることが出来ないぶっ飛びぶりだ
惑星探査の為に感受性と感情豊かな人格を設定されたアンドロイドで
関連作品のアンドロイドと見比べてもかなりフランクな性格で
デクに知識を与えるだけでなくコメディリリーフも務める

そんな魅力的なヒロイン・ティアを演じるエル・ファニング
彼女はティアだけでなく、同型機のテッサも演じており
ティアとは対照的に感情が全くみえない冷徹なアンドロイドで
見た目はほぼ変わらないはずなのに、まるで別人のように演じ分けている。
人間の姿の主要人物はこの二人だけという中で
ここまで演じきったのは賞賛の一言

ヤバすぎる惑星ゲンナ
インパクトに残るといえば舞台である
惑星ゲンナも話題に事欠かない
過去のシリーズ作品でもわかることだがプレデターは大人としての通過儀礼として
どこかの惑星に降り立ち、その惑星の強者を狩る事で初めて認められる
主人公デクが選んだカリスクはヤウージャ族の中でも
狩猟不可能な生物とされている上に
生息地がある惑星ゲンナが想像以上にやばすぎる星だった。
- 森全体が食人植物
- 触れただけで大爆発する芋虫
- 刺激を受けると麻痺針を出すパファープラント
- パファープラントと共生関係にある翼竜
- 高い知性を持ち腐食液を飛ばすウナギことインブレ・アングィス
- 刃物のように切れる雑草
- 生態系の頂点に立つカリスク
若者とはいえプレデターとして日々訓練していたデクが
ドン引きするくらいのいかれた生態系を循環している。

ブチアガるオーガニック装備
初期こそ狂った惑星ゲンナにドン引きしていたデクだが
ティアやバド過ごすことで
惑星ゲンナでもたくましく生き抜いていくデク
物語終盤最後の決戦に向かう際に
宇宙船に残っていたプレデターのマスク取らず
自ら狩猟したボーン・バイソンの骨を面にし
すでに接収されたプレデターの装備の代わりに
ゲンナの生物を自らの武器として装備していく流れは
コマンドーやジョンウィックの買い物シーンを思わせる
この手のアクション映画好きなら誰しも喜ぶシーンだ
また、図らずもプレデター1の出演者にして過去作の監督でもある
シェーン・ブラックの作品アイアンマン3を想起させるのも面白い所だ

シリーズファンへの接待も〇
歴代シリーズと一線を画す作品だが
過去の関連作へのリスペクトも忘れていない
- 1の爆炎で雄たけびを上げるダッチ
- ウェイランド湯谷社
- パワーローダー
関連作を見ていなくても楽しめるが
追い続けているファンへのサービスも忘れていないところに
本作を含めて3作立て続けてメガホンをとる
トラクテンバーグ監督のシリーズへの愛を感じる
また次回作の展開も匂わせており
ここからシリーズを見始めるのもお勧めできる作品だ


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