イコライザー THE FINAL【ネタバレあり】

★★★★


公開日  2023年10月6日
上映時間 109分
監督 アントワン・フークア
脚本 リチャード・ウェンク
キャスト デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング デビッド・デンマン ガイヤ・スコッデラーロ レモ・ロジオーネ

シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは
アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く。
身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は
この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する。
しかしその町にも魔の手が迫り、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始。
やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大していく。

映画.comより一部引用

debuwo評価 86点
おすすめ度  (星4)

ナーメテーター最強の男、第3作

なめてた男が殺人マシーンでした系映画
通称ナーメテーター映画でも最強と名高く

模範的な指導者としても振舞う徳の高さから
思わず『さん』付けで呼びたくなる男、マッコールさん
第一作から10年を経った今年、舞台をイタリアに変えて
困った人々に救いの手を差し伸べる…!

過去作のレビューはこちら↓

実は消耗していたマッコールさん

シチリアのワイナリーから始まる冒頭の無双シーンは
過去作に比べて重苦しく凄惨だ

秒速でマフィアの取り巻きを葬り
ボスに致命傷を負わせた後
ショットガンで臀部を撃ち、這いずり逃げ回る相手を
地面を銃で叩きながら追う様はもはやモンスター
新戦闘用BGM Nine Secondsも相まってホラー映画のようである
音楽監督がマーセロ・ザーヴォスに変更され、新たに起用されたこの曲は
重厚で、恐ろしさすら感じる旋律からノイジーなギター音に変化していき
マッコールさんの精神状態を現したようで印象に残る

シチリアで仕事を終え帰路に着く際、マッコールさんは判断ミスにより
マフィアのボスの孫であろう少年に撃たれ、負傷してしまい
彼らしくない失敗から本作の物語が始まる
筆者が思うに、2以前のマッコールさんなら
このようなミスは起こさなかっただろう

デイブの自宅訪問した際
彼の妻や子供に全く背中を見せない徹底ぶりから
彼は子供でも自分の仕事の対象とした経験があるのが伺える

  • 敵地のど真ん中
  • リサーチ済の相手その関係者

この状況で彼が背中から撃たれるのはどう考えても
本調子ではなかったと思わざるを得ない
負傷後、九死に一生を得たあともランボー4の様に悪夢に魘されている事からも
人を殺して不眠症が改善された彼からすれば様子がおかしい

背中の無警戒さが過去作の対比となる

彼に何があったのか?

前作で元上司であり、理解者であるスーザンを殺され
因果応報とはいえ、7年も仕事を共にした仲間たちを
彼自身が皆殺しにした事による精神的負荷は計り知れない

冷静に考えれば、2以降も自らのライフワークとして
彼はイコライザーとして仕事続けるわけだが
過去の人間関係が完全に破壊され
誰にそのことを話すことも出来ず日々を過ごしていたのだ
彼の精神の摩耗は当然の事と言える

イコライザー2(2018)

癒しの町アルモンテ

命からがら何とかアルモンテに辿り着いたマッコールさんは
憲兵のジオに救助され、町医者のエンツォの治療で一命を取り留める
自分で何でもこなしてきたであろう彼は
治療も含めて、他人を頼る日々を送る事を余儀なくされるが
結果として怪我の功名と言うべきか
心優しいあるモンテの人々と触れ合う事で
彼は怪我の治療と合わせて人間性を回復していく様から
マッコールさんの再生に重きを置いたストーリーなのが伺える

にこやかなマッコールさん

戦闘シーンはもはやホラー

マッコールさんを心の底から癒してくれた街
そこがカモッラの餌食になるとなれば
マッコールさんが黙っているはずもなく
彼らはシリーズの例に漏れることなく全滅する事になる
本シリーズでの戦いは
マッコールさんが勝つかどうかではなく
彼がいつどこで戦うかが問題なのだ
勝つのは確定事項なのである

マルコ戦の顔の距離感

彼らとの戦闘シーンは、いつもの弱者を護るというだけでなく
マッコールさん自身の大切なものを護る、報いを受けさせる
私刑と言ってもいい攻撃性を見せつける
人間性は取り戻したものの、彼の攻撃性は収まりそうもない

もうジェイソンやろ

ダコタとデンゼル

1のラルフィ、2のマイルズに相当する指導者マッコールさんのサイドストーリーは
CIAでデスクワークを2年勤め、マッコールさんのタレコミで
初めて現場に立つことになったCIA捜査官エマ・コリンズ
彼女を演じるのは2004年にマイ・ボディガードでデンゼルと共演したダコタ・ファニングだ

マイ・ボディガード(2004年)
  • デンゼルがこめかみに銃を構えるセルフオマージュ
  • デンゼルの電話が彼女の命を救う
  • 親代わりの行動

保護する存在であった彼女を
今期は独り立ちさせるために手助けする様は感慨深いものがある。

時計問題

最後になるが、これは本作を国内で展開している配給会社に対する苦言になるが
早とちりとも言える作品の理解の無さは何とかしてもらいたい
公式サイトなどでは、劇中で彼は腕時計を置き
イコライザーとして生きる事を辞めるようなことを匂わせている
しかし蓋を開けてみれば
確かに治療中に腕時計を自ら外すことになるが
それは引退というか、負傷して歩くのもままならない状態だったので
一時的にイコライザーとして活動は休止ただけにしかみえない
実際、終盤では腕時計を着用しているので引退する事もないので
何をもってFINALなどと言う邦題を付けたのか
小一時間問い詰めたい

ちゃんと本編を観ろ

続編について

デンゼルとアントワン・フークワ監督は
このシリーズ以外で続編というものを作っておらず
まして3作も作っている事から思い入れもひとしおの物があるだろう

デンゼルは本作の為に、2年前から体作りを始めるほどのモチベーションがあり
フークワ監督曰く、マッコールさんはデンゼル自身のプライベートでの振る舞いもモデルになっている
と、コメントしておりストーリーも想像しやすいのだと思われる
ハードなアクションはデンゼルの年齢を考えれば厳しくなっているのは百も承知だが
是非とも、続編を作っていただきたい…!!

おまけ

本作でマッコールさんに紅茶をふるまうカフェ店員アミーナ
彼女を演じるガイア・スコデッラーロさんはとても美しく
彼女にデートに誘われたマッコールさんが羨ましすぎた…

素敵だ…

一大ジャンルナーメテーター

なめてた相手が殺人マシーンだった系映画は
多くのアクションスターで作られたジャンル映画だ
イコライザーでその爽快感の虜になったのなら
それ以外の作品も
如何でしょうか?
当ブログでは他のナーメテーターも紹介しているので
次のナーメテーター作品を探しているときは
是非参考にしてください!
記事はこちらからどうぞ!↓

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