公開日 2021年6月11日
上映時間 95分
監督 村瀬修功
脚本 むとうやすゆき
原作 富野由悠季 矢立肇
出演 小野賢章 上田麗奈 諏訪部順一 斉藤壮馬 津田健次郎 佐々木望
アムロ・レイとシャア・アズナブルの最後の決戦を描いた
映画.comより一部引用
映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から12年後の宇宙世紀105年(U.C.0105)を舞台に
かつてアムロとシャアの戦いを見届けたハサウェイ・ノアが、腐敗した地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。
第2次ネオ・ジオン戦争から12年。
地球連邦政府は強制的に民間人を宇宙に連行する非人道的な「人狩り」を行っていた。
そうした地球圏の腐敗した現状に、マフティー・ナビーユ・エリンと名乗る人物が率いる反連邦組織「マフティー」が立ち上がった。
マフティーの正体は、かつて一年戦争にも参加した地球連邦軍士官ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアだったが
そんな彼の運命は、謎の少女ギギと連邦軍大佐ケネスとの出会いによって大きく変化していく。
debuwo評価 74点
おすすめ度 ★★★★☆(星4)
新たな解釈で描かれるハサウェイ
「機動戦士ガンダム」の富野由悠季監督が
1989年に出版した小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を元に
村瀬監督が新解釈として制作した3部作の第1部にあたる作品
初代ガンダムの流れを汲む作品で
知っている作品が多ければ多いほど楽しめる要素もあるが
前知識として必須な作品は
劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下CCA)くらいで
アムロとシャアのいざこざは
全ての映像作品を見ずともざっくり調べるくらいで良いと思います
比較的に入り込みやすい新規向けの作品です
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現代的にブラッシュアップされたデザイン
新規の入り込みやすかった点として
ブラッシュアップされた人物とMSについては
是非ピックアップさせていただきたい
ハサウェイ・ノア
デザインは原作やゲーム作品の出演に比べると髪の色に黒味が増した程度
堂に入った感さえあるCV佐々木望さんverよりも
CVが小野賢章さんに変更され、若者感が少し増している
組織のリーダー的存在と言うかアイドル的存在になったイメージ
こちらの方が今作の雰囲気にはマッチしているかも…
今までのハサウェイの方が好きだけど
このハサウェイも結構好き
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ギギ・アンダルシア
今作のヒロイン
原作からデザインを一新された人気キャラ
- セレブリティな暮らしによる訳知り顔
- 十代女性特有の無邪気さ(原作はもう少し大人びている)
- その場で力のある男に靡く
これらの要素から醸し出す
「手に入らない高嶺の花」感は絶妙
その賢しさがどうにも好きにはなれないが
目を引く存在なのは否定できないところが
またそれらしい感じで
美人は得というのをわからせてくれるキャラ
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ケネス・スレッグ
肌の色すら変わった連邦軍仕官、階級は大佐
歴代のガンダムのライバルキャラがそうであったように
彼も男として主人公ハサウェイより一枚上手感を出しているのだが
個人としては事あるごとに女を口説く、それ絡みの会話と
セックスアピールが多すぎて結構きつい感じがする
軍人としては民間人の被害をあまり気にしない作戦
人質をとってのMS戦など、見た目に反してゲスムーブが多い
原作からしてそうと言えばそうであり
毅然とした軍人がコンセプトのキャラではないが
もう少し現代的なブラッシュアップが欲しかった感じ
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MS
MSのデザインは全体的にあえて無骨にしてる感があり
どのMSもかっこよかった
個人的に気に入っているのは
XI GUNDAM(クスィーガンダム)
敢えてガンダム顔にせず悪役顔にリファインされた
劇中ではガンダムとすら呼ばれていない主人公機
リファインされた理由が、開発元を表沙汰に出来ないなど
世界観に沿ったように捉えられるのが素晴らしい
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サイバーパンクに舵をとった楽曲は秀逸
新規が受け入れやすかった点と言えば
『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダムNT』の音楽も携わっていた
澤野弘之さんによる劇中のBGM、挿入歌による要素も多いだろう
『EARth』のクラシックを髣髴とさせるお約束感さえあるBGMも用意しながら
『car5p3 / PENELOPE』や『XI』など
サイバーパンクな曲が象徴的に使用されているのは音楽ジャンルの世代交代を感じさせる
挿入歌である『Möbius』のCCAを意識した歌詞にも注目しておきたいところだ
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リアリティ志向の市街地戦闘シーン
最新の映像技術で描かれる戦闘シーンは
CGとエフェクトによる煌く美しさよりも
溶けた装甲、崩れる建築物など悲惨さが浮き彫りになり
『08小隊』などにあった戦争の泥臭さを演出していて
古参のファンも楽しめたのではなかろうか?
パニック状態になるギギのリアクションも
そのリアリティに大きなアクセントをつけている
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ケネスの口説きシーンが結構きつい
後の伏線ともなるのでしょうが
公式youtubeでも確認できる、旅客機内部の
ケネスとCAメイス・フラゥワーの会話は結構きつかった…
原作の台詞をそのまま使いまわしているのかもしれませんが
なんというかケネスの大人アピールには寒さすら感じる…
これが宇宙世紀のかっこいい大人の男の口説き方なんだろうか…
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TV版エヴァンゲリオン15話『嘘と沈黙』
披露宴の二次会でミサト、リツコ、加持の
大人な俺達の会話的な寒さが近い…
アニメの中で人生観を語りながら
経験豊富な大人を描写するのって
やっぱ難しいんですね…
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今後が楽しみな良作
ケネスのディック的な寒さだけは厳しめにツッコミましたが
それ以外は新規、古参も概ね満足出来る作品だと思います
令和のガンダムを牽引する作品になるのは間違いないので
これからガンダム見てみようかと言う人には
おすすめです!
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コマンドーコレクター版みたいに
いつか佐々木望さんverのハサウェイを収録した別バージョンとか発売して欲しい…
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