公開日 1997年7月5日
上映時間 95分
監督 チャウ・シンチー
製作総指揮 チャウ・シンチー
脚本 チャウ・シンチー ケー・シー・ツァン ロー・マンサン
出演 チャウ・シンチー カレン・モク ヴィンセント・コク ン・マンタ
香港で“食神”として名を馳せる天才料理人、周(チャウ・シンチー)は
大快楽チェーンの社長エリック(ン・マンタ)と
側近になりすましたエリックの腹心トン(ヴィンセント・コック)の策略で
“食神”の座を奪われ 料理人生命は終わる筈だった。
しかし、落ちぶれた周は屋台で商売するフォウガイ(カレン・モク)達と出会い
再起を掛けた料理を生み出し、再び食神の座をかけてエリック・トンと戦う事となる。
彼は食神に返り咲けるのか?そして、最後に待ち受ける大どんでん返しとは?
debuwo評価 80点
おすすめ度 ★★★★☆(星4)
香港映画の傑作!
荒唐無稽なコメディ映画なようで
映画の黄金比である三幕構成に沿って丁寧に作られた
お話作りがすごくしっかりした映画です
三幕構成とは、脚本の基本とされる構成である
一般に、映画はこの構成に則り
「設定」「対立」「解決」の役割を持つ3つの幕 (act) に分けられる
- 第一幕「設定」
食神、料理とは何か?如何にして【食神・周】が落ちぶれたかと言うあらすじ - 第二部「対立」
落ちぶれた周が屋台で商売するフォウガイ達と関わり、再起する話 - 第三部「解決」
再起した周とトンの食神をかけた最後の戦い
この流れが実に飲み込みやすく
すんなりに入っていけて
最後のオチに至っては
美しさすら感じるストーリーでした
やってる事は凄くコメディなんですけど
コメディ要素のアクが強い分
丁寧に作ってる部分が光ります!
料理は心
お気に入りの部分としては
料理は心という
主人公が序盤、お手本として飴細工と花を使って
作り上げたお菓子にも描いた
この映画の要点はココですよって部分
映画に限らず古今東西いくつもの料理を題材にした物語で
ある種の到達点として出される回答
この映画では序盤はそれは戯言だと言わんばかりに
描かれていくんですけど
終盤では、この映画の料理の到達点も心である
って言う伏線をしっかり張って
回収している部分は見終えて納得の作りでした
ミスター味っ子リスペクト
そしてこの映画と言えばなんと言っても料理描写
包丁が宙を舞い
花吹雪のように食材が乱れ咲き
食した者が異空間を作る様子は
これはどうみても
アニメ版ミスター味っ子!!
アニメでパロディする作品は数あれど
まさか実写で、さらに再現度がここまで高い映画があったとは…
見た当初は驚きと笑いの渦に叩き落されました!
例の料理について
本当に面白い映画なのですが
唯一、拒否されても仕方ないかなぁって要素があります
それが主人公の転落人生逆転の要になる料理
爆発 小便団子
食べたらブシャーーー!って肉汁が出る事から
名づけられたのもわかるんですけど
そんな名前の団子食いたくねーわ!っていうのと
団子をピンポン玉にして遊べるって言う
食べ物をおもちゃにする的な要素は
えぇ…ってなりましたね
食文化の違いでしょうか…
逆に言うとそういうカルチャーギャップなければ
楽しめる映画なのでお勧めです!!
おまけ カレン・モクさんのがんばり
顔に傷を負った屋台の姉御役を演じてた
カレン・モクさんですけど
いくら醜女設定だとしてもきれいな女優さんなんだから
特殊名句とは言えそこまでやらんでも…
ただ本気で映画に取り組んでいる様は
これこそ女優だなと感心しました…
同一人物です
なんでここまで体張ったんだろう…
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