孤狼の血【ネタバレあり】

★★★★

公開日  2018年5月12日
上映時間 125分

監督 白石和彌
脚本 池上純哉
原作 柚月裕子
出演者 役所広司 松坂桃李 真木よう子 江口洋介 石橋蓮司 ピエール瀧

「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された柚月裕子の同名小説を
「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督がメガホンをとり映画化。
昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原の暴力団・尾谷組と
五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中
所轄署に配属となった新人刑事・日岡秀一は
暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾とともに
会社員失踪事件の捜査にあたるが
この失踪事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していき…

映画.comより一部引用

debuwo評価 91点
おすすめ度 ★★★★☆(星4)

ヤクザ映画なんて時代遅れだし…というあなたへ!

ヤクザ映画と言えば
1960年代から80年代まで一大ジャンルを築いた映画で
特に有名な作品は仁義無き戦いや県警対組織暴力などあり
80年代以降も脈々と作られてきたが
令和の世の中でいきなりその時代のヤクザ映画みようとしても難しいと思うし
そもそも当時の映画は知らない役者さんばかりだしぴんと来ないという
そんなあなたにお勧めなのがこの映画です

とんでもない迫力をみせる役者さんたち

この映画のとっつきやすさといえばなんと言っても
平成時代ではドラマで活躍した役者さんたちが多く出演していることにあります
江口洋介さん、竹之内豊さん
中村獅童さん、中村倫也さんなど
あの素敵だった役者さんたちがとんでもない変貌を遂げて登場します
カルチャーショックを受けるレベルで衝撃的な役ばかりですが
暴力的で、その尖った演技は他の作品では見れない魅力に溢れていて
まさしく悪の華です
特に江口洋介さんはヤクザ役に初挑戦とは思えない風格がありながらも
男の魅力も兼ね合わせた素晴らしい演技です

おもわず真似したくなる役所広司さんが演じる 孤狼・大上の魅力

魅力的と言えば主演の役所さん演じる不良刑事の大上ですが
狂気的な捜査、発言、役所さんの演技もあいまって
登場シーン全てが印象に残り、名台詞製造機な感じさえあり

  • 警察じゃけぇ 何をしてもええんじゃ
  • おう、狂うちょる 捜査のためならわしゃ悪魔にも魂を売る男じゃ
  • じゃあ聞くがの 正義とは何じゃ?

映画を見終わるころには思わず真似したくなる言い回しは必見です!
ちなみに役所さんはインタビューによるとこの大上の事を天使だと思って演じていたそうです…
実際天使でしたね…

終盤魅せてくれた狼を継ぐ犬・日岡

そしてその大上と組む松坂さん演じる日岡ですが
途中まで、振り回される役回りで常識人枠かなと思わせるのですが
終盤、ある事件をきっかけに覚醒します
他のキャラが常に狂気を解放してぎらついているのに対して
日岡は一気に爆発させるようにその狂気を解放するので
実は作中では最も危うい存在に見えるのが非常に魅力的で素晴らしかったですね
役所さんが大上を天使と思っていたのに対して
松坂さんは日岡を犬という印象を持って演じていたそうです…

役者たちの熱気と容赦ない描写が織り成す最高の120分

役者の魅力ばかり書き連ねましたが
ストーリー、デザイン、音楽どれをとっても
一級品で、中でも劇中曲『孤狼の血エンドタイトル』
何度も聞きたくなる名曲です(退社する時いつも聞いてます
危険でかっこいい魅力がいっぱいで楽しめること間違いなしの一作なので
暴力描写があっても問題ない、刺激がある映画が見たい
と言う方にはおすすめです!

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