ランボーラスト・ブラッド【ネタバレあり】

公開日　　2020年6月26日
上映時間　101分
監督　エイドリアン・グランバーグ
脚本　マシュー・シラルニック　シルヴェスター・スタローン
出演　シルヴェスター・スタローン　イヴェット・モンリール　パス・ベガ　セルヒオ・ペリス＝メンチェータ　オスカル・ハエナーダ

グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは
数々の戦闘の後に祖国アメリカへと戻り
亡き父のあとを継ぎ故郷のアリゾナの牧場で
古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。
しかし、ガブリエラが自分を捨て蒸発した父に会うために向かったメキシコで
人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。
娘のように愛していたガブリエラ救出のため
ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。
映画.comより一部引用

debuwo評価　68点
おすすめ度　 ★★★☆☆(星３)

ランボーシリーズ第5作目…だが…

ランボー映画としては…微妙です
晩年のスタローンのアクション映画としてはおもしろかったんですが
ランボーシリーズのファンとしては良い出来とは言いたくない感じです

４の余韻を残したオープニングはグッド

嵐の山の中から始まる人命救助シーン
山に詳しくて、馬にも乗れるランボーのスキルを活かして
遭難した人を救う
技術で人を殺すことしか出来なかったランボーが
人を救う事で今までの自分の魂も救済しているように見えたオープニングは非常に良かった
ボランティアっていうのが
前作のNGOメンバー・サラの影響があったように思えるのもまた良い感じです

人助けもしながら牧場経営を営み
家族であるマリアとその孫ガブリエラと
優しい毎日を送ってはいるんですけど
夜になるとPTSDに悩まされているというのが
ランボーの悲しさ、業の深さが表現されていて言う事なしでした

どうやって救出するつもりだったか謎の中盤

メキシコで誘拐されたガブリエラを救う為
ランボーが動き出すのですが、その立ち回りがお粗末過ぎでした

持ち込んだ武器がナイフ一本とハンドガン一丁
カルテルのアジトにノコノコ現れて囲まれて詰む
カルテルのボスに囲まれてからの直談判

装備は入国時制限があるのかもですが
それ以外の部分がいくらなんでも行き当たりばったり過ぎる…
前作では迅速に遭遇した山賊を皆殺しにしたランボーが
あんな雑な判断ミスをするとは思えないし
PTSDが発症しそうな描写はありましたけど
ランボーがミスを起こしたり
老いて耄碌したようにも描写されてませんでしたから
雑と言わざるを得ない

ジョン･ランボーの設定を活かさず
カルテルと再び戦うまではただ運の良いおじさんって感じで
この映画の評価を下げている大きな要素の一つです

クライマックスの戦闘について

クライマックスの戦闘は
自宅である牧場と地下迷路を改造してカルテルを迎え撃つのですが
SNSではランボー･怒りのホームアローンと言われたこの手法
どちらかというと『ラスト・スタンド』や『イコライザー』の方が近いかなと思うんですけど

トラップを仕掛ける側は熟練に見える
トラップに種類を持たせる事で絵的に飽きない
今までのランボーシリーズに比べればスタローンの負担が少ない撮影が出来る

と言うメリットがあり
クライマックスの戦闘シーン・舞台設定は
ランボーの年齢やキャリアを考えるとよいチョイスでしたが

バイオレンス描写が
グロイだけで
チープ

何が足りないのか？

端的に言うと今作には
悲惨さが足りない
こんなもので斬られたら、こんな銃で撃たれたら人間はどうなってしまうのか
その描写を突き詰めて、世の中ではこんな悲惨な事が本当に起こっている
って言うのを映画で表現できる限界まで見せつけて
最後の戦場(4)は評価されたのですが
それに比べるとラストブラッドの描写は
如何にトラップで痛い目を見るかって言うのに特化しすぎててチープ

戦争や兵器を食らう悲惨さを見せるストーリーラインじゃないっていうのはわかるけど
そういう辛さ、重たさを描かないならランボーである必要なくない？っていう話になって来る
ストーリー上の悪党ぶっとばしてヒャッホー！っていうのは
ランボーでは3で卒業したじゃないですかっていう
そういうのはエクスペンダブルズでいいじゃないですか