公開日 2021年10月22日
上映時間 108分
監督 清水康彦
脚本 徳雄浩司
キャスト 菅田将暉 岡田将生 杏 斎藤工 吉田鋼太郎 田代輝
謎の立方体に閉じ込められた男女6人の脱出劇を描き
映画ドットコム様より引用
低予算ながら世界的ヒットを記録したビンチェンゾ・ナタリ監督の密室スリラー「CUBE」を
菅田将暉、杏、岡田将生、田代輝、斎藤工、吉田鋼太郎のキャストによる日本版としてリメイク。
突然、謎の立方体=CUBEに閉じ込められた男女6人。
エンジニア、団体職員、フリーター、中学生、整備士、会社役員と
年代も職業もバラバラな彼らには何の接点もつながりもない。
理由もわからないまま、ひたすら脱出を試みる彼らに、殺人的なトラップが次々と襲う。
脱出するためには仕掛けられた暗号を解読しなくてはならないという極限状態の中
それぞれの人間の本性が徐々にあらわになっていく。
debuwo評価 40点
おすすめ度 ★★★☆☆(星3)
湿度が高め日本版
元祖CUBEの舞台が1990年代アメリカなのに対しこちらは2020年日本
それに辺り、各キャラの職業や設定に変更が加えられた
- 原作 警官、精神科医、女子大生、脱獄犯、CUBE関係者、フリーター
- 日本版 エンジニア、団体職員、コンビニバイト、男子中学生、整備士、会社役員
警官や精神科医はまだしも流石に日本で脱獄犯は現実味が無さ過ぎるため
機械にある程度明るくて、行動的と言う意味で整備士に変更したのは良い変更点
他の配役も劇中でそれぞれがしっかり役割を担っていて納得できる構成だった
ただ一人を除いては…
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甲斐麻子がいらなすぎる
しっかりと役割を意識された登場人物の中で
唯一、何の為に存在しているのかわからない謎の忖度キャラ甲斐麻子
団体職員で唯一の女性で密室群像劇では如何にも話の中心になりそうものだが
終始、空気である。
- 感情が見えない棒読み演技
- 全く活かされない職業・年齢等の各種設定
- 登場人物達の妙な忖度じみた扱い
劇中では登場人物たちの諍いには関わらず
殺し合いに発展している時ですら傍観し続けており
なんでいるの君?と言いたくなるほど何もしない、何も起こさない
クライマックスで普通ならあっと驚く彼女の設定が明かされるのだが
ここまで丁重に囲うように扱われていると
まあ、そんな感じやろな
としか思わない
また、団体職員というあまり見かけない仕事も
劇中で触れることも全くなくただの肩書と化している
設定や、映像に凝っていても、このような登場人物を用意されては台無しである
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トラップはよかったが…
CUBEのパブリックイメージと言えば
無数の部屋の中にある多彩で悪趣味な殺人トラップだ
本作もシリーズに遜色のないトラップが多数登場する
悪趣味と言うのは聞こえは悪いが誉め言葉である
こんなトラップにハマりたくない
こんな死に方はしたくないと思わせるからこそ
登場人物の緊迫感にも説得力が生まれると同時に
次はどんなトラップが彼らを襲うのかというハラハラ感も得られるのだ
そういう意味では今作のトラップは合格点と言っても差し支えないだろう
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嘘みたいだろ…死んでるんだぜこれ…
確かに数々のトラップは素晴らしかったが…
トラップにかかる登場人物たちが
全員顔だけは無傷という流れは何とかならなかったのだろうか
どれだけ凄惨なトラップにかかろうとも
登場人物たちが綺麗な顔で死に行く様はどうしても迫力に欠ける
また、芸能事務所への忖度があるのだろうと邪推してしまう
元祖キューブの脱獄犯・レンの死に様を見習ってほしいものだ
![](https://www.eiga-hihyou.com/wp-content/uploads/2023/03/a2b2925f29c4af521266938d97256490.png)
元祖CUBEは何が良かったのか
折角のトラップも忖度により台無し…
しかし、これもまだ許容範囲で
この映画を厳しく非難するべき所は
原作の最も不気味な部分を再現できていない所だろう
それはCUBEという装置が
稼働している理由が全くわからない得体の知れなさだ
- 誰が
- 何の為に
- 何時から
劇中でもあれこれと憶測を飛ばすがどれも答えには至らず
元祖CUBEはこれらの謎が最後まで分からず終わる
明確に悪意のある構造でありながら、裏で糸を引く人物がみえず無機質なのだ
核心が見えないからこそ感じる恐怖
そういったものが元祖CUBEにはあった
元祖CUBEの監督、ヴィンチェンゾ・ナタリは同時期に
エレベーター外にモンスターがいるかいないで起こるパニックを描いた
短編映画『ELEVATED』を制作しており
こちらでは件のモンスターを一切写さずに盛り上げる手法を取っている
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本作ではそれよりも登場人物たちの人物背景を掘り下げすぎて
CUBE自体にそこまで言及が及んでいない
CUBEの無機質な恐怖を感じる事はなく
ありがちな続編クリフハンガーで幕を閉じるのもいただけない所だ
良い改変、シリーズの売りを受け継いでいる所は確かにあるが
肝心なところが×、日本芸能界特有の忖度を浮き彫りにした作品
というのが作品への統括だ
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結構重要なtwitter連携
この映画は劇中の登場人物たちが
実際にツイッターを利用しており
ここで普段の生活での断片がみられる
斎藤工演じる井出がはっきり飛行機の整備士とわかるのは
ツイッターアカウントのおかげである
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